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【超精子力】数・量・運動率を上げるために実践すべき3つのこと

菅内閣誕生で不妊治療の助成制度も大きく見直しされる方向で進んでおります。

不妊症は女性に原因があると思われがちですが、約半数は男性側も関わっていることはあまり知られていないように思います。

男性の精液所見により不妊治療の内容も変わってきますので、挙児希望の場合は『先ずは検査』をする事が大切です。

※今はスマホでも検査ができる時代です。SEEMやメンズルーペが有名。


精子はどのようにして作られるのか?

精子は精巣で作られるのですが、厳密には精細管の中にある『精粗細胞』が分裂を繰り返し精子に成長します。精細管にはもう一つ『セルトリ細胞』がありますが、精粗細胞に栄養を与えたりする役割を果たしています。

※簡潔に纏めるとこのような過程です。
・精粗細胞→精母細胞→精子細胞→精子 (約74日間)

『精粗細胞』は胎児の精巣の中で作られますが、精子を作る過程は思春期まで停止しています。

【精子を形成している4つの細胞】
・核:遺伝情報のDNA
・先体:卵子の壁を壊す酵素が収納
・ミトコンドリア:エネルギー生産
・鞭毛:推進力を生み出す

※ATP合成を行う「ミトコンドリア」は非常に重要なので、別記事で纏めます。

以上が大まかな過程ですが、実は精子形成のスタートは脳です。脳からの指令、つまりホルモンが出ていないと精子を作ることができないのです。

【内分泌系の流れ】
・視床下部→GnRH→下垂体→FSH/LH→セルトリ/ライディヒ細胞にテストステロンを産生精細細胞の精子形成

※GnRH:性腺刺激ホルモン放出ホルモン
FSH:卵胞刺激ホルモン LH:黄体形成ホルモン

男性不妊の症状は?

男性不妊の原因は造精機能障害(※OAT症候群)が9割以上を占めております。その他には性機能障害と精路通過障害があります。

造精機能障害:精子を作る機能の障害は大きく3つあります。

乏精子症 精子の数が少なく(1,500万/ml以下)、軽度~重度のランクあり。
精子無力症 精子の運動力が良くない(40%未満)。
無精子症 精子が確認できず、非閉塞性と閉塞性がある。

参考:精液所見に対しての下限基準値
(WHOラボマニュアル-ヒト精液検査と手技-5版より)

原因は突発性や続発性のものがあります。続発性の※精索静脈瘤においては、手術で精液所見を改善できる可能性があります。その他、FSHホルモン異常などがあります。

※精索静脈瘤:精巣周囲の静脈で血流の流れが滞り、精巣の温度が上がり、精子形成に影響を及ぼす。

上記疾患以外で造精機能障害になることについては、明確な原因は分かっていないのが現状です。しかし、何れの症状でも精子が1匹確認(採取)できれば、挙児の望みはあります。


改善するためには?

精子は複雑な過程を経て形成されており、現時点でも特攻薬というものはございません。しかし、精巣にとって良い環境を与えてあげることで改善されている症例はあります。

※乏精子症や精子無力症を被験者にしたものになります。

基本的なことになってしまいますが、すべきことは睡眠、食事、運動です。そして、『ストレス』と『悪い食事』を極力避けることです。また、精巣には熱も良くない為、サウナや自転車も避けた方がよいでしょう。

睡眠の一例ですが、シカゴ大学の研究で、20代の健康な男性を集め、5時間の睡眠を1週間続けました。その後、血液検査を行ったところ、テストステロンが大幅に減少していたとのことです。また、睡眠不足の男性は十分な睡眠をとっている人に比べ、精子の数が約3割も少なかったとのことです。

寝溜めをすることはできませんので、睡眠負債は恐ろしいものです。
睡眠不足だと、交感神経系が興奮することで、からだの炎症を招くだけでなく、テストステロンも減少(男性不妊にも関係)してしまうのです。


具体例には何をすれば良いのか?

①運動:HIIT(High-intensity interval training, HIIT)
②食事:抗酸化物質(ビタミン系/ハーブ系/CoQ10/その他)
③睡眠:7~8時間(理想は8時間)

何れも精子形成に必要な『テストステロン』と『ミトコンドリア』を高めてくれるものとなります。はじめは少しずつから、継続していくことに意味があります。

基本的に精液所見の改善に至るまでは、3ヶ月は必要です。

再掲:精粗細胞→精母細胞→精子細胞→精子 (約74日間)

実際にホルモン治療で効果が現れるのも、3ヶ月と言われておりますので、生活習慣の改善も長い目でみる必要があります。


まとめ&感想

・テストステロンとミトコンドリアの機能を高められるような、『運動』『食事』『睡眠』を改善(実践)すること。

不妊治療は経済的負担が大きい為、いち早く助成制度が拡充されることを願いますが、男性不妊の根本解決は医学に頼るしかないのでしょうか。
※今回の記事も月並みなことしか書けない為、参考程度としていただければ幸いです。

自然妊娠する為には、精子濃度は4,000万/ml以上が望ましいそうですが、500万/ml以下でも自然妊娠された例はあるそうです。検査をしない限りは、自分の精子濃度を知るすべはありませんので、実際には基準値より低くても授かっていることは多いのかもしれません。

今回の記事はかなり浅い内容になっていますが、実際には染色体異常やホルモン異常による原因もあります。症状ごとで特効薬があると一番良いのですが、ただ時間が過ぎていくのだけは避けなければなりません。

以前、『無精子症』の特集番組を偶然観ましたが、日本の男性不妊専門医は少なく、不妊治療も地域格差があるように感じました。

次回以降、精子形成への効果が期待できるサプリメントについて纏めます。ビタミンとハーブ、そしてミトコンドリアの機能を高めてくれるサプリです。
※iherbで1万円以内で揃えることができます。

-ひとりごと-
日本で販売されている葉酸は非活性型の『Foric Acid』です。個人的には妊活中の方や妊婦さんに推奨できるものではないと思っております。